山形市でも高齢化により農業の担い手不足が喫緊の課題になっています。
山形市農業戦略本部では、農業者がデジタル技術を活用し、自らの能力を存分に発揮した経営展開ができるよう農業DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むことを決定しました。スマート農業の推進のため、スマート農機の普及や新規就農者へのデジタル技術導入などを進めています。
〇山形市農業戦略本部とは
市長を本部長に有識者8人の本部員からなる組織。平成28年5月から、山形市の農業が抱える諸問題の解決策を探り、具体的な戦略の構築を目指し農業振興を図っています。
※デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタルを駆使して、経営や事業の在り方、生活や働き方を変革すること。Digital・trans(「trans」を省略する際に「X」と表記:変える/超える)・formation(形作ること)
▼農業DXの取り組み
【1】新規就農者に対するデジタル技術の導入
山形市における栽培技術の動画を含めた多品目の栽培技術動画の配信と、栽培工程を適切に管理するための生産履歴システムを導入し、新規就農者が就農定着できるような環境づくりをしていきます。
〈取り組み内容〉
農作業の技術と知識、農業に対する心構えやポイント等、ベテラン農家の高い栽培技術とこれまでの経験を動画にまとめ、新規就農者や今後の担い手へ継承する取り組みをしています。
その他、ほ場管理・生産管理・作業管理を一元管理し、営農分析を行う「生産履歴システム」を導入し、山形市で就農しやすい環境づくりを行っています。
【2】スマート農機の普及推進
モデル地区で、農業機械の自動化、農業用ドローンやほ場水管理システム等の導入や営農管理システムによる農作業の記録・解析を行い、効率性と生産性の両立を進めています。
「手を放しても自動で運転してくれるので、負担が少ない!」
〈取り組み内容〉
自動操舵の農機の作業精度をより高めるため、GNSS(※)アンテナを活用した基地局を設置し、モデル地区(南沼原地区)でスマート農機を導入し実践。先端技術による作業の自動化によって、農作業における省力・軽労化が図られ、農地集約化による経営規模拡大が期待できます。
※GNSS:位置情報を提供するために高精度で位置を計測する測位システムのこと(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)。
〈取り組み内容〉
水田の水管理をスマートフォン、パソコン等で遠隔・自動制御化するほ場水管理システムを導入し、農作業の効率化を図っています。
▽山形市のスマート農業のこれから
スマート農業の普及・活用が図られるよう、スマート農機の実証を進めていくとともに、農作業の省力化、生産性の向上などスマート農機導入によるメリットの周知を図り、担い手の高齢化、労働力不足等の喫緊の課題に対応できるよう、今後も効果を検証しながら取り組んでいきます。
問合せ:農政課
【電話】内線437
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